めぐるのお出かけ記録

お出かけの記録をつけます。

雨降りの岡山県 美術館めぐり 2日目

翌朝起きると、強い雨が降っていた。

旅行中の雨か・・・とちょっとテンションが下がる。

とりあえず、昨日寄っておいしそうだったパン屋さんに朝ごはんを買いに行く。

買いに行くと、「近くのカフェでイートインできます」とのことだったので、カフェでいただくことにした。

コーヒーを注文し、紙袋に入ったパンをカフェの店員さんに渡すと、温めなおして出してくれた。

パンはもっちもちで香りがよく、とても美味しかった。

軽くはなく、どっしりとした重みのあるパンだった。

伝票にはイラストと「素敵な一日を」のメッセージが描いてあって、雨の憂鬱な気持ちが少し軽くなった。パンもコーヒーも美味しいし。

座席の目の前には窓があったので、しばらく雨を見つめながらコーヒーを飲んで眠気を覚ましていた。

 

その後ホテルをチェックアウトし、大原美術館へ直行する。

 

思っていたより大きい!と思った。手前の彫刻はロダンのもの。

この神殿のような建物は美観地区の中でも異質だったので敷地外から見ても目立っていて気になっていた。

建設当時は相当珍しいものだったんじゃないかなあなどと思いながら入っていく。

どんなものが収蔵されているのか事前に調べずに入ったので、入ってから有名画家の作品ばかりが展示されていて驚いた。

ドガゴーギャン、マネ、マティス、モネにピカソ・・・

日本美術でも青木繁岸田劉生佐伯祐三藤田嗣治といった美術の資料集に載っていた人たちの作品を鑑賞することができた。

中には壁一面に大きく展示されているものもあり、見ごたえがあった。

入口前の看板に書いてあった目玉のエル・グレコの「受胎告知」だけは他の展示とは異なる空間に展示されていた。色彩が薄暗く、荒々しい絵だった。一度見たら「ああ~」と思い出せるようなダイナミックさのある絵だと思った。

 

後半の展示室に行くと、児島虎次郎の作品が展示されていた。

児島虎次郎の名前は大原美術館で初めて聞いた。

「里の水車」と壁一面を使って3つの作品で1つの作品になっていた「朝顔」が特に好きだった。

展示室に30分ほど滞在してひとつひとつじっくりと見てしまった。光の描写が美しく、見ていて胸がいっぱいになる絵を描く人だと思った。好きな画家の1人になった。

とても気に入ったので、小さな複製を購入した。

 

美術館を出た。児島虎次郎の絵と出会えたのも大原孫三郎のおかげだ・・・大原本邸に寄らずにはいられないだろう・・・ということでお昼ご飯も食べずに直行した。

入口からは想像できなかったが、敷地内はとても広かった。そりゃそうか・・・

大原家の歴史と精神を知ることができるところだった。孫三郎は文化や学問への貢献だけでなく実業家として非常に優秀で社会貢献の精神の強い方であることを知った。

離れに行くと、庭があった。時期が悪かったなと思った。春の桜に夏の新緑、秋の紅葉に冬の雪景色・・・どれも綺麗だろうなと思った。でもこの日は雨だったから、しっとりとした雰囲気を味わった。

離れでお茶をいただいていると、施設の方が話し相手になってくれた。

児島虎次郎の絵が素晴らしかった。好きな画家のひとりになった。と言ったら「高梁市の美術館に児島虎次郎の作品が収蔵されているから行ってみるといい」と言っていた。その方の好きな作品は『なさけの庭』だと言っていた。作品名を覚えておらず、会話中にはどういう作品だったか思い出せなかった。

大原本邸の方たちはどの方も非常に親切だった。

 

いい時間になり、そろそろお昼ご飯探しでもするか、と歩いていると美術館の別館があったので入ってみた。

3メートルは優に超えるであろうこの作品、立ち上がることもあるらしい。立ち上がる・・・?!

館内のショップでモネの睡蓮のスカーフを購入した。

 

お昼探しのはずが、なかなか惹かれる場所がなかった。

先にホテルに荷物をとりにいって駅前で探すか、と思いアイビースクエアのほうに戻ると、ふなおワイナリーの直営ショップがあったのでせっかくなら飲んでいくかと思い、試飲セットを注文した。待っている間、次に行く場所を調べていると、そういえば・・・と思い出した。岡山県って竹久夢二の郷土美術館があるじゃないかと。竹久夢二のゆかりの地にはほとんどの場所に行ったことがあるくらい好きな画家のひとりだったので、絶対に行きたかった。

上品な甘さと香りのするものだった。すごくおいしくてゴクゴクと飲んでしまった。試飲サイズでもカップになみなみと注がれているので結構な量があり、これだけで顔が真っ赤になって酔っぱらってしまった。閉館の時間も迫っていたので、急いで飲んでしまったのもある。

このあとホテルに荷物を取りに行き、雨なのでタクシーを呼んでもらったのだが行先を伝えるときに「岡山駅で!!!」と言ってしまった。運転手の方が「倉敷駅ではなく?」と指摘してくれたので助かった。その後の会話でも明日は金沢なんですと言ったら「兼六園とか行くんですか?」と聞かれ「兼六園~・・・?六義園ではなく~・・・?」などと言い、完全に酔っぱらっていた。酔いがさめた頃の郷土美術館に向かうバスの中でこの会話を思い出してものすごい恥ずかしくなった。六義園は東京だよ・・・

閉館の1時間前に到着したのもあって、私以外に鑑賞している人がいなかった。ラッキーだと思った。1時間前だからと早足で回ったけど、見たかったあの絵もこの絵もある!と大興奮だった。『秋のいこい』『西海岸の裸婦』は想像よりもずっと大きかったし、見たかった『立田姫』も見ることができて満足だった。

急ぎ足でショップに向かい、ポストカードや手ぬぐいを購入した。もっと時間にゆとりがあれば・・・とも思ったので、また余裕をもって来たい。

 

岡山駅のほうに帰る途中、今日中に金沢駅のほうに行くことを決心した。京都までの新幹線とサンダーバード号の座席とホテルを予約した。

関東に住んでいるとこういったルートで北陸に向かうことはないので、京都駅でサンダーバードを待っているとき新鮮な気持ちだった。関西の人は特急で行けるんだ、と思った。

朝ごはん以来の食事だったのでものすごい美味しかった・・・

車内は私とあと3人ほどしか乗っていなくて空いていた。

岡山県は想像以上に素敵なところだった。特に倉敷は、よくある観光地とはまた違う雰囲気を持っているなと思った。働いている人たちが町に誇りをもって働いている思った。とても居心地がよかった。休みをとって前乗り旅を決心して本当によかったと思った。

 

3日目の金沢につづく