めぐるのお出かけ記録

お出かけの記録をつけます。

雨降りの岡山県 美術館めぐり 2日目

翌朝起きると、強い雨が降っていた。

旅行中の雨か・・・とちょっとテンションが下がる。

とりあえず、昨日寄っておいしそうだったパン屋さんに朝ごはんを買いに行く。

買いに行くと、「近くのカフェでイートインできます」とのことだったので、カフェでいただくことにした。

コーヒーを注文し、紙袋に入ったパンをカフェの店員さんに渡すと、温めなおして出してくれた。

パンはもっちもちで香りがよく、とても美味しかった。

軽くはなく、どっしりとした重みのあるパンだった。

伝票にはイラストと「素敵な一日を」のメッセージが描いてあって、雨の憂鬱な気持ちが少し軽くなった。パンもコーヒーも美味しいし。

座席の目の前には窓があったので、しばらく雨を見つめながらコーヒーを飲んで眠気を覚ましていた。

 

その後ホテルをチェックアウトし、大原美術館へ直行する。

 

思っていたより大きい!と思った。手前の彫刻はロダンのもの。

この神殿のような建物は美観地区の中でも異質だったので敷地外から見ても目立っていて気になっていた。

建設当時は相当珍しいものだったんじゃないかなあなどと思いながら入っていく。

どんなものが収蔵されているのか事前に調べずに入ったので、入ってから有名画家の作品ばかりが展示されていて驚いた。

ドガゴーギャン、マネ、マティス、モネにピカソ・・・

日本美術でも青木繁岸田劉生佐伯祐三藤田嗣治といった美術の資料集に載っていた人たちの作品を鑑賞することができた。

中には壁一面に大きく展示されているものもあり、見ごたえがあった。

入口前の看板に書いてあった目玉のエル・グレコの「受胎告知」だけは他の展示とは異なる空間に展示されていた。色彩が薄暗く、荒々しい絵だった。一度見たら「ああ~」と思い出せるようなダイナミックさのある絵だと思った。

 

後半の展示室に行くと、児島虎次郎の作品が展示されていた。

児島虎次郎の名前は大原美術館で初めて聞いた。

「里の水車」と壁一面を使って3つの作品で1つの作品になっていた「朝顔」が特に好きだった。

展示室に30分ほど滞在してひとつひとつじっくりと見てしまった。光の描写が美しく、見ていて胸がいっぱいになる絵を描く人だと思った。好きな画家の1人になった。

とても気に入ったので、小さな複製を購入した。

 

美術館を出た。児島虎次郎の絵と出会えたのも大原孫三郎のおかげだ・・・大原本邸に寄らずにはいられないだろう・・・ということでお昼ご飯も食べずに直行した。

入口からは想像できなかったが、敷地内はとても広かった。そりゃそうか・・・

大原家の歴史と精神を知ることができるところだった。孫三郎は文化や学問への貢献だけでなく実業家として非常に優秀で社会貢献の精神の強い方であることを知った。

離れに行くと、庭があった。時期が悪かったなと思った。春の桜に夏の新緑、秋の紅葉に冬の雪景色・・・どれも綺麗だろうなと思った。でもこの日は雨だったから、しっとりとした雰囲気を味わった。

離れでお茶をいただいていると、施設の方が話し相手になってくれた。

児島虎次郎の絵が素晴らしかった。好きな画家のひとりになった。と言ったら「高梁市の美術館に児島虎次郎の作品が収蔵されているから行ってみるといい」と言っていた。その方の好きな作品は『なさけの庭』だと言っていた。作品名を覚えておらず、会話中にはどういう作品だったか思い出せなかった。

大原本邸の方たちはどの方も非常に親切だった。

 

いい時間になり、そろそろお昼ご飯探しでもするか、と歩いていると美術館の別館があったので入ってみた。

3メートルは優に超えるであろうこの作品、立ち上がることもあるらしい。立ち上がる・・・?!

館内のショップでモネの睡蓮のスカーフを購入した。

 

お昼探しのはずが、なかなか惹かれる場所がなかった。

先にホテルに荷物をとりにいって駅前で探すか、と思いアイビースクエアのほうに戻ると、ふなおワイナリーの直営ショップがあったのでせっかくなら飲んでいくかと思い、試飲セットを注文した。待っている間、次に行く場所を調べていると、そういえば・・・と思い出した。岡山県って竹久夢二の郷土美術館があるじゃないかと。竹久夢二のゆかりの地にはほとんどの場所に行ったことがあるくらい好きな画家のひとりだったので、絶対に行きたかった。

上品な甘さと香りのするものだった。すごくおいしくてゴクゴクと飲んでしまった。試飲サイズでもカップになみなみと注がれているので結構な量があり、これだけで顔が真っ赤になって酔っぱらってしまった。閉館の時間も迫っていたので、急いで飲んでしまったのもある。

このあとホテルに荷物を取りに行き、雨なのでタクシーを呼んでもらったのだが行先を伝えるときに「岡山駅で!!!」と言ってしまった。運転手の方が「倉敷駅ではなく?」と指摘してくれたので助かった。その後の会話でも明日は金沢なんですと言ったら「兼六園とか行くんですか?」と聞かれ「兼六園~・・・?六義園ではなく~・・・?」などと言い、完全に酔っぱらっていた。酔いがさめた頃の郷土美術館に向かうバスの中でこの会話を思い出してものすごい恥ずかしくなった。六義園は東京だよ・・・

閉館の1時間前に到着したのもあって、私以外に鑑賞している人がいなかった。ラッキーだと思った。1時間前だからと早足で回ったけど、見たかったあの絵もこの絵もある!と大興奮だった。『秋のいこい』『西海岸の裸婦』は想像よりもずっと大きかったし、見たかった『立田姫』も見ることができて満足だった。

急ぎ足でショップに向かい、ポストカードや手ぬぐいを購入した。もっと時間にゆとりがあれば・・・とも思ったので、また余裕をもって来たい。

 

岡山駅のほうに帰る途中、今日中に金沢駅のほうに行くことを決心した。京都までの新幹線とサンダーバード号の座席とホテルを予約した。

関東に住んでいるとこういったルートで北陸に向かうことはないので、京都駅でサンダーバードを待っているとき新鮮な気持ちだった。関西の人は特急で行けるんだ、と思った。

朝ごはん以来の食事だったのでものすごい美味しかった・・・

車内は私とあと3人ほどしか乗っていなくて空いていた。

岡山県は想像以上に素敵なところだった。特に倉敷は、よくある観光地とはまた違う雰囲気を持っているなと思った。働いている人たちが町に誇りをもって働いている思った。とても居心地がよかった。休みをとって前乗り旅を決心して本当によかったと思った。

 

3日目の金沢につづく

とりあえず岡山県に行ってみよう!0日目~1日目

はじめてのひとり旅から約20日後・・・

 

3月の3連休に金沢に行く計画を数か月前から友達と立てていた。

が、ひとり旅のいい思い出が忘れられない・・・

そこで、仕事もひと段落し、毎日20時ごろに退社できるくらいには落ち着いた&まだまだ有休消化が必要ということで、その金沢旅行予定の3連休にくっつけて+2日間の有給休暇を取得した。+2日間はまたひとり旅をしよう!と考えた。

どうせなら前日から前乗りして、早朝から旅先を楽しみたいな!ということでスーツケースを持って出社をした。

行先は、とりあえず新幹線で行けるところがいいなあと通勤電車に揺られながらぼんやり考えていた。

母親には仙台とかどう?と提案されていたので、選択肢に仙台があった。

あとは伏見稲荷大社でひいた大大吉のおみくじの方角欄に、「西南の方よし」と書いてあったため、次は九州だな!などと考えていたことを思い出した。

 

でも3日後には金沢に行かなきゃいけないし、、、という制約もあったので、金沢に行くにもまあ行けないことはないかつ新幹線も通っているしということで岡山県に行くことにした。

上司も先輩も職場からそのまま直行するということを知っていたので、私が定時であがれるように調整をしてくれた。お土産奮発します!!!!と言い残しウキウキで退社した。

 

品川駅から新幹線に乗ると、混んでいた。隣の人が非常に親切な女性の方で、5泊6日予定の大荷物を持った私に「こちらの足元に置いてもかまいませんよ」と声をかけてくれた。岡山まで長い道のりだったので、隣の人が親切な人ですごく安心した。

 

京都、大阪・・・に到着するにつれ、人が減っていった。大阪を過ぎたころには車両に私以外に2人くらいしか車両に残っていなかった。

 

ようやく岡山に着いた頃には22時半過ぎだった。

お、大きい!

新幹線が通っている駅なだけあって大きかった!駅前には、桃太郎の銅像があった。

多くの若者が集まってたむろしていて想像の岡山駅前と全く違くてびっくりしたのを覚えている。この駅名の写真を撮っているときも、写真を撮っている姿をたむろしている人たちになんだあいつ?といった様子でじーっと見られていて非常にきまずかった。時間帯もそうだし、金曜だからな・・・と、桃太郎像の写真を撮るのは諦めて早めにホテルに行った。

 

ホテルに到着すると、大浴場がありますと説明を受けた。ちょっとうれしかった。

お風呂からあがると母親から電話が入っていた。

何事かと思いながらかけなおすと、「今仙台だったりする?地震大丈夫?!」と言われびっくりしながらテレビをつけると仙台で最大震度6強地震が発生したと騒ぎになっていた。

しかも東北新幹線脱線事故も発生し、地震の影響によりその後も不通となっていたりと、母親の提案のとおり行先を仙台にしていたら帰るのに大変なことになっていた。おみくじのいう通りにして本当によかった・・・おみくじに助けられてしまった・・・ありがとう・・・

 

 

翌朝、7時ごろに起きた。目覚めたら旅先って移動時間を節約できるからすごく便利だなと思った。さあどこに行こうと調べていると、直島という選択肢があるぞということを知った。

岡山駅から宇野駅まで電車で行き、宇野港から直島行きのフェリーに乗った。

平日もあってか、乗船客数は少なかった。

直島に着くと、雲がほとんどなくなって晴れていた。

着いたはいいが、朝が早いのもあってやることがなかった。とりあえず散歩したり、テキトーに腰をかけて海を眺めていた。

穏やかだ・・・

 

港の中のショップをのぞいてみる。

アートの島だもんなあと思いながらせっかくなので大竹伸朗のガチャガチャを回した。

 

帰りの船は、ものすごく小さな船だった。エンジンの音をダイレクトに聞くことができてこっちの船も楽しいなあと思いながら気持ちよく宇野港に帰った。

 

UNO

宇野港に着いて電車の時間を調べると、1時間に1本しかこないことに気付いた。

次の電車は40分後か・・・とどうしようかなとGoogleMapで立ち寄るところを調べていると、もうすぐ11時で近くのおまち堂というかき氷屋さんが開くぞということで寄ってみた。

寒い!!!

こんなに苺がのっているとは予想できず、うれしいサプライズだった。

練乳もたっぷりかかっていておいしい・・・でも寒い(3月)・・・おいしい・・・でも寒い・・・と思いながらゆったりと完食した。

 

さあ電車に乗るか・・・と駅のほうに向かうと、温泉の文字を見つけた。

この冷え切った身体は温泉のことしか考えられなくなってしまったので迷わず入店した。

たまの湯

www.seto-tamanoyu.jp

 

真昼間で晴れていたので露天風呂がものすごく気持ちがよかった。昼間なのでキラキラした海を眺めながら湯につかることができた。平日だったこともあってかなり空いていた。従業員の方が「晴れていて気持ちいいねえ」などと気さくに話しかけてくれてうれしかった。

ここは半日くらいかけてゆっくりするような場所なのだろうなと思いつつ、倉敷にも行きたかったので1時間半程度で退店した。

 

電車に乗って、今夜の宿を調べた。倉敷でいい場所があるとよいのだけれど・・・と探しているとちょうど空いているところを見つけたので予約した。

前々から行ってみたかった倉敷に行けるぞ!とニヤニヤしながら倉敷駅に着いた。美観地区まではそこそこ歩いた記憶がある。

そこそこに混んでいた。卒業旅行シーズンと春休みだからか、学生のグループが多かった。

まずは荷物をホテルに置くためにホテルに向かった。

日向ぼっこ

美観地区内にある倉敷アイビースクエアを予約した。手荷物もそこそこに気軽に出かけられたので観光するには非常にいい立地だった。

荷物も部屋に置いたし、さあ観光だ!と思ったがすでに14時過ぎだった。倉敷といえば川舟だけど、さすがに舟の予約はとれないかな・・・と思いつつダメ元で行くと、なんと1席だけあいていた。

舟までの時間、川沿いの道を歩いた。

なまこ壁の建物や蔵屋敷など、普段見かけないような建物が並んでいて、歩いているだけで新鮮だった。

家紋のある屋敷を見つけたりもして、代々大切に維持され続けているのだなと思った。

明日は雨予報だから、美術館は明日にとっておく

舟を降りると、もう16時を回っていた。

川沿いから外れた道を行ってみると、個人店が連なっている道に出た。開いている店に手当たり次第入った。倉敷は紡績産業が盛んだったこともあり、布織物を売っている店がなんとなく多いような気がした。

美味しそうなパン屋さんを見つけたが、夕飯は別のものを食べたいな・・・と思い、朝は何時からやっているかを店員さんに伺い、明日また来ますと言って出た。

 

ふらふら歩いて、そろそろ夕飯探しに出ないとなと思い美観地区を一通り歩いて探した。そばもいいな、丼ものもいいな・・・などと考えていると暗くなってきて、目の前にあった焼き鳥のお店に入ることにした。

中に入ると、すでに賑わっていて驚いた。観光客というよりは、地元の方で賑わっているようだった。木曜日の18時過ぎなのにほぼ満席のようだった。あとからネットで調べたのだが、人気のお店らしい。予約をしていなかったのでドキドキしていたが、大丈夫とのことだったので着席した。

突き出し

生ビールとおまかせコースを注文した。付き出しと串7種類で1600円程度だった。これは確かに、混雑するよなあと納得した。肉肉しくてすっごくおいしかった!!

混んでいたのに飛び入りで入ってしまったので、1時間も滞在することなくコースを食べ終わるとすぐに退店した。お店の方たちは気のいい方でものすごく愛想よく接客していただけた。

生小と生中を飲んだだけだったが、お酒に弱いので酔っていた。

とりあえず散歩するか~と気持ちのいいまま歩いていると、川沿いが光っていた。

昼間は装飾として傘を置いているのかと思ったら、ライトアップするのか!とそこで気付いた。

ライトアップが川に反射してとても綺麗だった。

早咲きの桜も咲いていた。風も程よく冷たくて、酔った身体にちょうどよかった。いい夜だなあ・・・と思いながらしばらく散歩した。

し、白い!

座ってぼーっとしていた。部屋に帰るにはまだ早いな・・・

美観地区から外れたとおりに出ると辺りは結構暗かった。道沿いに、ピザ屋を見つけた。ピザか・・・胃に入るか・・・?いや、頑張れば入るな・・・と葛藤していたが、当たりの焼き鳥屋さんに入ったのもあって気が大きくなっていたので勢いで入店した。

入店すると、お客がいなかった。快くいらっしゃいませ!と迎えてくれたので席に着いた。赤のギンガムチェックのテーブルクロスが敷いてあり、食欲のそそる明るい店内だった。

昼間にもクラフトコーラを飲んだな・・・と思いながらも、イタリアのコーラがおすすめとのことだったので、注文した。

お、おいしー!色からして甘いのかと思ったらそれほど甘くもなく、優しい微炭酸コーラだった。

待っている間、いい匂いがした。

すでに美味しい

置かれたとき、びっくりした。お、大きい!!!想像の倍はある!!!食べきれるのか?!と不安になった。が、食べ始めると薄焼きのピザだったので入ってしまった。胃が大きくてよかった・・・

ブラックオリーブとアンチョビが好きなので、このピザは本当に美味しかった。好きなものしかトッピングされていなかった。生地も薄くて好きなタイプのピザだった。

気持ちもお腹も大満足の状態で退店してホテルに帰った。美味しかった!と口コミを書こう!と思いお店の名前で調べると、ミラノで行われたピザの世界大会で3位入賞と書かれていてそりゃ美味しいよね!と思った。

 

いい気分のままお風呂に入り、明日の朝はパン屋さんでパンを買って、そのあと大原美術館だなとスケジュールを考えながら眠った。

 

つづく

はじめてのひとり旅 3日目

3日目、早起きした。行先を考えないといけないなと思って早めの時間に目覚ましをセットした。

行ったことのないエリアに行ってみようということで、宇治のほうに向かった。

宇治といえば抹茶か?くらいの認識しかなかった。京都市の中心地から結構離れているんだなあと思いながら電車に揺られ、うとうとしていると到着した。

昨日の嵐山よりも人が多かった。とりあえず平等院に行ってみるかと歩いているとお茶屋さんをいくつも見かけた。定番の有名お茶屋さんのお店に入ってみたりしたが飲食するのに待ち時間が発生しているようだった。宇治でなくても食べられるっちゃ食べられるし・・・と思い諦めた。

平等院

こんなに立派だと思っていなかった。天気も良く空も真っ青で、外観にしばらく見入ってしまった。鳳凰堂の内部拝観にも参加させてもらったが、阿弥陀如来坐像の大きさと荘厳さに圧倒された。金色なんだ・・・!内部の壁や装飾も見るべき箇所が多くあって想像以上だったのを覚えている。ミュージアムも見ごたえたっぷりで、内部拝観のときにも見た雲中供養菩薩像を近くて見ることができて満足した。

見どころがたくさんあって数時間ほど平等院で過ごした後、お昼ごはんを食べた。

宇治川の前で茶そば

駅に向かう道中にあったおそば屋さんに入った。お塩が抹茶塩でちょっとうれしかった。席からの眺めもよくて、行き当たりばったりにしてはいいこと続きだなあとホクホクした気持ちになった。

こっちのほう来たからには、行ってしまおうと思い伏見稲荷大社に向かった。


レザーのスニーカーで来ていたのもあり、奥地には行かず手前のほうでやめておこうという方針で千本鳥居を通っていった。おもかる石チャレンジはやっぱりだめだった。

おみくじをひいて帰ろうか、と思いひいてみたらなんと大大吉が出た!ちょうどその日は自分の誕生日でもあったからお稲荷さんからの祝いだと思いスキップ気分で引き返した。

注文後に、なぜこの寒いときにソフトクリームを頼んだのか・・・と後悔した。

 

帰りの新幹線の時間を気にしながら京都市の中心地のほうに帰った。

三十三間堂

修学旅行以来の三十三間堂に行った。修学旅行で何を見たかほとんど覚えていないのだが、この三十三間堂インパクトが強くて覚えていた。

日が落ちてきて、閉館1時間前の時間だった。急いで中に入った。

三十三間堂といえば千手観音立像のイメージのまま入ったが、躍動感のある風神雷神像のほうに見入ってしまった記憶がある。祖母へのお土産に三十三間堂内で焚かれていたお香と同じものを買っていった。

安井金比羅宮

その前年、当時長年付き合っていた彼氏と別れたいからと友達に連れられ一緒に行った安井金比羅宮に、友人の代わりに御礼参りに行った。縁切りの噂は本当で、当時の彼氏と別れられたのはもちろん、その後すぐに落とし物を拾ったことがきっかけでまた別の人と運命的な再会を果たし、今も仲良く二人で暮らしている。その一連の流れを見ていたので「悪縁を切り良縁を結ぶ」は嘘ではなかったのだ・・・とちょっと緊張しながら御礼参りをした。

夜19時になり、帰りの新幹線に乗る。

思い立って荷物を詰め、とりあえずで乗った新幹線からこんなにいい思い出がたくさんできるなんて想像もしていなかった。

旅程なんて考えない、やりたいほうだいの旅行がこんなにも楽しいものなのか!とひとり旅の良さに気づくことができた。コロナ禍でなかったら、できていなかったかもしれない。

また近いうちに行きたいなと思いながら帰宅すると、家族が誕生日ケーキを用意して待っていた。いい連休になった。

はじめてのひとり旅 2日目


京都についた。名古屋と京都間ってこんなに早く着くんだ!

とりあえず嵐山に向かう。

嵐山本線

路面電車?!とびっくりした。はっぴいえんどの風をあつめての歌詞の中でしか聞いたことがないよと思った。まず改札ないじゃん!とも思った。乗ったことがないので、乗り方がわからなかった。思わず「路面電車 乗り方」で調べた。恥ずかしい。周りの人を観察して真似して乗った。揺られている間は町の景色との距離感が近いのが新鮮でおもしろかった。

渡月橋

電車を降りて渡月橋のほうに歩いて行った。寒いけど風が気持ちよくて思い切り空気を吸い込んだ。ここではじめて仕事のストレスを発散することができた気がする。

しばらく周囲を歩いたり川沿いのベンチに座ってぼーっとした。

コロナ禍+閑散期もあって人が少なかった。人力車に乗ろうか迷ったけど、自分の足でまずは歩いてみるかと思い乗るのをやめた。

天龍寺

天龍寺に行った。歩くのがちょっと怖くなるほど人がいなかった。天気も良く、ゆっくり外を眺めながら見てまわった。

達磨図に見られている気がする・・・

せっかくなので法堂の雲龍図も見ていくことにした。入ってみると、なんと私1人しかおらず、その上どこにいても龍ににらまれていよいよ本当に怖くなってしまった。中心に立ってみたり、端から端に立ってみて龍と目を合わせたりした。

曹源池庭園

ほかの季節にくると印象がガラッと変わってもっと素敵なんだろうなと思った。

 

天龍寺を出て、竹林のほうに出た。

人が全くいない。歩いていない。無計画に歩いているのもあって、こっちに行って本当にいいのだろうか・・・?と不安になりながら歩いた。

ようやく人に出会えて、ホッとした。着物を着て観光っていいな。

そこから先は、とりあえず奥のほうまで行ってみようと思いとにかく歩いたら迷子になったのでマップを開くと、もう少し歩くと大覚寺という寺があるらしいということで向かった。

お昼ご飯をまだとっていなくておなかすいたなあ・・・と思いながら歩いていると目的の寺ではないがそれなりに大きい寺があったので入ってみた。

境内の中の腰掛に座り、漏れて聞こえるお経を聞きながらぼーっとしていると「ゆどうふ」と書かれた旗を見つけた。おなかがすいていたのでもうここしかない!と思って入った。当時24歳の私にとっては1人で入るのに躊躇してしまうほど立派な構えの店だったけど、思い切って入店した。

中に入ると着物を着た女性がいて(思った通りの店だ!!!!)と思って必要以上に緊張した。

靴を脱いでふすまを開けて案内してもらうと暖房が効いてとても暖かかった。

「ゆどうふ」と旗がたっていたのだからここは湯豆腐だろうと思い、注文した。

上品な盛り付けで(わあ!!)となったのを覚えている。

湯葉は食わず嫌いしていたのだけれど、ここの湯葉をいただいてから抵抗がなくなった。

これが一番美味しかった!!!のを覚えている。でも、1年半前のこともあって、詳細は何も覚えていない・・・

冬の寒さにあたった後の湯豆腐はとても美味しかった

上品な豆乳プリン

予約なしでこれだけのものがいただけて、すごく有難かった。ラッキーだった。

お会計を済ませた後、お店の方が「おなかはいっぱいになったか?」「寒くないか?」「早く上着を着なさい」「これからどこに行くのか」等話しながら出入り口の外まで見送ってくださって、とてもうれしかった。思い切って入店してよかったと思った。

その後は大覚寺に向かう。

中はとんでもなく広かった。が、寒くて寒くてゆっくり見ていられず、サクサクとまわって出てきてしまった。大沢池という大きな池もあるので、暖かい時期にまた再チャレンジしたい。

ホテルに向かい、夕食は京野菜料理を出してくれる飲み屋に入った。果物と野菜をミックスしたお酒が何種類もあって美味しかったのを覚えている。

茄子とブルーベリー

ホテルは京都あるあるの、ちょっと和風を意識したいい感じのビジネスホテルのようなところだった。

 

この日の夜は誰かと話したくなり大学時代の友達と長電話をした。一人暮らし経験がないのもあり、どこかから帰ってきてその感想をしゃべる相手がいないというのがちょっと耐えられなかった。なんだかんだで2時くらいまで電話してしまって、次の日のことを全く考えないまま眠った。

つづく

はじめてのひとり旅

参画していた炎上案件のリリースが終わって一息ついた頃、有給の消化のため5連休を取得した。

1年間ほど、毎日夜遅くまで残業をして休日出勤に追われていたためお金が貯まっていた。それに、お金の使いどころがなかった。5連休の2日目に、せっかくだし旅行いこう!と思い立ちとりあえず荷物を詰めて外に出た。

どうしようどうしよう、と悩みながら最寄り駅に向かい、電車内で「とりあえず東京駅に行ってから考えよう」と決めて東京駅に向かった。

このときは2022年の2月。コロナ禍であったため新幹線の予約も宿の予約も直前でもとれたのもあって、気楽な気持ちで向かっていた。

なんの予約もとっていなかったし、このまま引き返してもいいなーとも思っていた。

 

東京駅に着き、東海道新幹線の改札のほうに向かってお弁当を買った。チキン弁当。

この時見ていたドラマ「おい!ハンサム」の中で次女が大阪から帰ってきたときに土産として買ってきたチキン弁当だ!と思って買った。

チキン弁当

名古屋城

名古屋って行ったことないなと思って名古屋に行った。とりあえず名古屋城に行った。

中も見たけど、記憶があまりない・・・復元されたものだったのもあって結構サクサクと見て出てきてしまったような気がする。その後も名古屋城あたりをぐるぐると周った。

この時点で夕方16時くらい。おなかがすいたので近くにあった矢場とんに入った。

味噌って、苦いんだ!と思った


おなかいっぱいになった後、駅までの道中に気になる建物を見つけた。

名古屋市役所

GoogleMapで確認すると名古屋市役所だった。このときは「へえ~~すごい立派」くらいに思っていた。国指定の重要文化財であることは建築に興味が出始めてから知った。

 

今夜の宿を探さないと、ということでよさげな宿を探して予約した。

いい写真がなかった・・・

1泊1万円もしなかった記憶がある。名古屋駅から10分(以上?)かかった記憶があるけど新しくておしゃれなホテルだった。

 

お部屋

しゃちほこ意識

16時頃に味噌カツ定食を食べたので、夜に近くのパフェ屋さんにパフェを食べに行くことにした。

栗がゴロゴロモンブランパフェ

中間層にある栗のジェラートがものすごくおいしかった。栗の香りを堪能した。

 

帰ってからお風呂に入りながら明日の予定を考えた。旅行慣れしていない&突発的に来てしまったため名古屋にまったく詳しくなかった。いい行先が思い浮かばなかった。

京都に行けば何かしらあるだろうくらいしか考えられなかったため京都行きの新幹線と宿を予約した。

名古屋らしいこと・・・名古屋らしいこと・・・と考えて、喫茶店のモーニングだ!ということで翌朝はホテルの近くの喫茶店に入った。後から知ったことだがいくつか支店をかまえている有名なところらしい。

4種類のジャムがのっている

よくわからない横文字のメニューがあったのでこれなんですか?と聞いたら4種類のジャムがのっているトーストですと答えてくれたので注文した。小倉トーストにジャムがついてるってうれしいな。コーヒーも美味しかった。

 

さらば

新幹線に乗って京都へ向かった。

つづく。